事務部門の業務のデジタル化

しばらく前から、DX(直訳するとデジタル変革)という言葉がよく聞かれるようになりました。
デジタル化といえば、製造業の現場では40年以上前からNC(数値制御)工作機械やCAD/CAM(コンピュータ支援による設計/製造)が存在し、事務部門でも30年以上前からOA(事務所の自動化)という言葉がありました。またその後はIT(情報技術)やICT(情報通信技術)という言葉が使われるようになりました。
今回のDXとは、デジタル化によって既存の組織やビジネスをその枠組みから変革するという意味で、従来のデジタル化とは一線を画すと言われています。
一方、中小企業の事務部門においてはデジタル化があまり進んでいないケースもあり、そうした中で、今年10月から始まるインボイス(適格請求書)制度や来年1月からの電子取引データの保存(電子帳簿保存法)といった法令によるものは、否が応でも対応せざるを得ません。また客先との取引において、注文書・注文請書・請求書などのやり取りをEDI(電子データ交換)で行うことを求められる場合も、取引を継続するには対応が必須となります。
このような制約のない業務は、どこまでデジタル化するかは基本的に自社で決めることができますが、何がしかのシステムに載せてデジタル化する場合、対象となる業務を、やり方の変更を伴うレベルまで整理・整頓しないと十分な効果(効率化)が期待しにくいというケースもあり、どの業務をどこまでデジタル化するのかの検討が必要です。
また今はペーパーレス化が時代の流れですが、随時案件を追記する台帳のような資料は、昔ながらの、紙+手書きのまま残した方が便利で使いやすいという事例もありますので、このあたりは柔軟に考えた方が良いと感じます。

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