原発事故とリスク管理

今回は、私の私見を含めた内容もあり、世間一般で言われる話とは異なる部分もあると思いますので、予めご了承願います。

昨日、8/24より、福島第一原発の事故に伴う放射性物質のトリチウムを含む処理水の海洋放出を始めると報道されました。
ただ、放出すると言っても、年間に放出できるトリチウムの総量に制約があるため、放出が終わるまでには30年くらいかかるようです。
濃度を薄めるとは言え、約30年に渡り、世界各国とつながる太平洋にトリチウムを含む処理水を放出することは、国内そして海外で何がしかの不安を感じる人が多いことはやむを得ないと思います。

私の認識は、元々の事故原因は、震災当時、ディーゼル発電設備などの非常用電源が全て標高の低い場所に設置されていたため、震災の津波により全て故障し、原子炉の非常停止ができずに暴走につながったというものです。(事故当時、「全電源喪失」という言葉が報道されたことは覚えている方もおられるのではないでしょうか)
また震災前は、経産省も、津波の影響を受けない標高の高い場所へも非常用電源を設置することを必須としてはいなかったようなので、語弊を恐れずに言えば、その点では「仕方ない事故」という側面もあると考えます(なお、現在は国内の原発は津波の影響を受けない高い場所にも非常用電源を設置しているようです)。

この辺りのリスク管理は難しいところですが、非常用電源が全て標高の低い場所に設置されていることについて、もし震災前の時期に、直感的に「ヤバい」と感じるリーダーがいて何らかの対策を講じていれば、ここまで重大な事故には至らなかったかもしれません(あくまでタラレバの話です)。

個人的には、こうした「直感」を磨くには、成功/失敗を含めた色々な経験を積み、他者の経験・知見を学ぶことを地道に続けるしかないと考えますので、私も引き続き努力するつもりです。
また、最近進歩の著しいAIが人間を超す領域も増えてくると思われる中、人間としての存在意義を高めるためにも、「直感」を磨くことは大事だと考えます。

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